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冷麺王宮

 

2007/01/07 (日)

短大生遺体切断事件に思うこと
Yahoo!ニュース - 毎日新聞 - <切断遺体>殺害された女子短大生の兄を逮捕 警視庁
非常に重苦しく悲しい事件だ。

被害者女性は未来を奪われてしまい本当に気の毒だと思う。しかし、兄をして実の妹を殺害せしめたものは、いったいなんだったのか。「逆上」と書かれた記事がある。それも大きな原因だろう。そして、逆上しかねない前提条件のようなものが、揃ってしまっていたのではないだろうか。

・三浪中
・受験シーズン
・予備校に膨大な学費(年間300万円+合宿費60万円+α)
・周囲からの明示・黙示的な期待あるいは重圧

ちょっと想像してみただけでも、これは相当しんどい。本当に辛い。「カネも時間もない」という人生。自分が死にたくなるような時も、多々あったのではないかとすら思ってしまう。だからといって殺人を犯す、というのはもちろん許されることではない。けれど、そういう重圧の中で生活をしている人間に対しては、励まし・叱咤激励のつもりの何気ない一言が、人間の正気を無くさせる可能性が十分にあるということも、また認識しておかなければならないことだと思う。殺しただけでなく、遺体を切断し、遺棄するというのは精神状態が「そこまで凄まじいもの」になってしまっていたことをあらわすものかもしれない。

状況や自分のこれからの不安なんて、誰に言われるまでもなく、おそらく自分が最も深く分かっている。だからこそ、うかつに踏み込まれたくない領域がある。「成功しつつあった」人生を送っていた妹に、兄を見下す気持ちは全く無かったか。難関を突破せねばならない家業を継ぐ重みを、妹はどの程度理解していたのか。100パーセント理解しとけよ、なんてことは思わない。そんなことは不可能だし、それを求めるのは傲慢ですらあるからだ。しかし、だからこそ、周囲の人間は当事者に気軽に言ってはいけない言葉がある。頑張ってる人に頑張れ、とは言えない、その延長線上にこの事件はあるものなんじゃないだろうか。

人生はそうそううまくいくものではない。でも、めちゃくちゃに最悪なものにも、そうそうはならないと思っている。この兄にはいろんな意味で、逃げ場がなくなっていたのかもしれないなあ。

期待されないのも悲しいかもしれないが、「期待はずれ」なんてのは周囲の勝手な妄想の産物なのかなあ。手前の勝手な期待が、人を殺人者にすることも可能性としてはありうるのだ。